2009年08月06日

コオロギは脳で考えて行動しているの?

反射的、本能的に行動すると考えられていた昆虫のコオロギが、ヒトなどの哺乳(ほにゅう)類と同じように、脳で考えて行動することを、北大などの研究グループが解明した。4日付の米国の生物学専門誌「BMCバイオロジー」で発表した。

 研究グループは、北大大学院先端生命科学研究院の水波誠教授(神経生物学)と東北大大学院生ら。ヒトなどの哺乳類は、行動する前に過去の記憶を呼び起こして考えるが、その際に脳内で特定の物質が放出されるという。コオロギの脳は、神経細胞の数で比較すると、人間の脳の10万分の1ほどの小ささ。これまでコオロギなどの昆虫は、一定の学習能力はあるが、より反射的、本能的に行動し、こうした物質の働きは無関係とされてきた。

 水波教授は、昆虫の中では人間への警戒心が弱く扱いやすいコオロギを使い、2年前から脳の伝達物質の働きを研究。コオロギに果物のにおいをかがせた後、水を与えたものと、塩水しか与えられなかったものに分けて、脳内の伝達物質の働きを比べた。

 においをかぐと水がもらえるコオロギは、学習によって水を取るためににおいに近づくが、水を取る「快感」を神経に伝える脳内物質「オクトパミン」を阻害する薬剤を注射すると、においの発生源に集まらなかった。逆に塩水が与えられたコオロギは、においに近寄らないはずだが、「不快感」を伝える脳内物質「ドーパミン」を薬剤で阻害すると、においを嫌わなかった。

 このことから、コオロギは反射的でなく、脳内の伝達物質の放出によって、学習したことを読み出していることが分かり、高度な哺乳類の脳と類似点があることが分かった。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/180987.html
posted by 科学くん at 19:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本初の有人宇宙船 2020年に初フライト

将来の月探査を視野に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を検討している日本独自の有人宇宙船の素案が10日、判明した。今年9月に初打ち上げが予定されている国際宇宙ステーション(ISS)への無人補給機「HTV」を“有人仕様”に改良して使用。最大4人の飛行士が地球周回軌道を飛行し、帰還用カプセルで地上に戻る構想だ。2020(平成32)年ごろの初飛行を目指す。
 政府が6月に決定した「宇宙基本計画」では“日の丸有人宇宙船”の開発が検討課題とされ、約1年かけて結論を出すことになっている。JAXAの素案は、HTVの技術と打ち上げ機会を最大限に活用して開発を効率化し、巨額の費用に対する反発を抑える狙いもありそうだ。

 宇宙船の大きさは直径約4メートル、全長約10メートルで大型バスに匹敵。地球周回軌道での飛行を想定し、宇宙空間では太陽電池パネルを展開する。数日から数週間にわたって実験や観測を行い、将来の有人月探査に向けた技術も検証する。

 宇宙船の基礎となるHTVは、米スペースシャトル引退後の物資輸送を担うISS補給機。機体の一部は室内温度や湿度が調節され、ISSにドッキング中は飛行士が普段着で出入りできる。

続きを読む
http://sankei.jp.msn.com/science/science/090711/scn0907110137000-n1.htm
posted by 科学くん at 15:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本は出生率が上がらない例外的存在

社会・経済が発展すると晩婚、出産の高齢化が進み、出生率は下がると考えられてきたが、発展がある段階を超えると、出生率は再び増加に転じる傾向にあることが、米ペンシルベニア大学などの分析で明らかになった。

 この中で日本は出生率が上がらない例外的存在であることもわかった。6日付の英科学誌ネイチャーで発表する。

 研究グループは、各国の生活の質と発展度合いを示す人間開発指数(HDI、最高値は1・00)と、1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率との関係について、1975年から2005年まで比較した。

 調査対象は05年時点でHDIが0・85以上の日米欧など37か国。その結果、HDIが高くなるほど出生率は低下したが、HDIが0・85〜0・90に達した段階で、出生率が逆に上昇する傾向があることがわかった。

 例えば、米国は76年(HDI0・88)、イタリアは94年(同0・90)に、出生率が増加に転じた。この傾向の明らかな例外は日本、韓国、カナダだった。日本では05年にHDIが0・94まで上昇したが、出生率は1・26で過去最低になった。

 HDIが特定水準を超えると出生率が上がることについて、同大のハンスペーター・コーラー教授は「発展に伴い、女性の働く環境や保育・教育施設が整備され、晩婚化や高い育児・教育費用などのマイナス面を補うから」と説明。

 日本でも06年以降の出生率は3年連続で微増してはいるが、コーラー教授は「日本は明らかな例外。男女間格差や女性が働きにくい労働環境など、複数の要因が重なっている」と分析している。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090806-00000171-yom-sci
posted by 科学くん at 12:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする